円卓の騎士

2005年、最後に観た映画が「円卓の騎士」。
アーサー王の物語だと思っていたら、徹頭徹尾ランスロットの物語でした。世界で最も有名な不倫男。(笑)

とりあえず全体を通して言えるのは、監督はランスロットが大好きであるということです。もう、猛烈にラブな勢いです。とにかくこれは、どこまでもランスロット礼賛映画です。
他の騎士のことは、本当にどうでもよさげでした。アーサーすら実は仕方なく出してるんじゃないかと。だってあのエクスカリバー、物凄く安物っぽいんですもの。岩に固く突き立っているはずなのに、風でえらく揺れてるんですけど!?
ガウェインもトリスタンも、いたのかどうかすら覚えがありません。せいぜいパーシヴァルが出てきていたくらいです。

役の横取りも素晴らしいです。最後にエクスカリバーを投げ捨てるベディヴィアは、影も形もなく。もちろん、ランスロットがちゃっかりアーサーの死を看取りましたよ。
そして聖杯の騎士であるガラハッド・・・ランスロットの息子は、アーサー死亡時にまだ乳児でした。代わりに、父ちゃんが勝手に聖杯の神秘を体験してしまいましたよ。原典では、神秘に触れたガラハッドは天に召されるはずなのですが、この映画では、どうやら主の声がこの乳児にブリテンの統治者となれと言っているようです・・・。しかも、ギネヴィアも罪を許されたって?
え、何ですか。つまりランスロットは目障りな夫亡き後、未亡人も後継者の息子も国もみんな手に入れてしまうっていうことですか。

何というかその力技に、平泉から落ち延びてチンギス・ハーンになった義経の姿を見ましたよ!


他にも多々。
・モルドレッドがアーサーと姉との間の子ではなく、姉の夫になっている。
・マーリンがアーサー姉に殺される。
・エレイン(ランスロットの妻)がパーシヴァルの妹。ねじがちょっとゆるい。
などなど。


あまりに知らない物語の連続に、確認のため、思わずブルフィンチ版のアーサー王物語を読み返してしまいましたよ。
あと、「キング・アーサー」のパンフも引っ張り出してきてみました。(以前に劇場で観た)
こちらの映画は、もう最初から伝説とは別物になっていたので、また違った楽しみ方ができましたけどね。ちなみに、「キング・アーサー」の戦うギネヴィアの方が自分としては結構好きだったりします。原典のギネヴィアはあまり好きではないのですよ。そして「円卓の騎士」では、どうしようもない馬鹿女にしか見えませんて。
それにしても「キング・アーサー」の凄いところは、アーサー、ギネヴィア、ランスロットの有名すぎる三角関係をカケラも見せぬうちに、ランスロットを殺してしまったところだと思います。アーサーが即位する前にまさか死ぬとはね・・・!
劇場で1回観ただけなので、やや記憶がおぼろげですが、機会があればまた観たいと思います。

話は「円卓の騎士」に戻って。
それでもロバート・テイラーのランスロットは味があって、かなり可愛かったです。特に前半とか。いろいろ気がかりなことはありましたが、とりあえずおおむね楽しめました。
レンタルされているのかどうか不明ですが、もし安売り棚にあって、財布と心と時間にやや余裕があって、アーサー王伝説に興味があって、ランスロットが好きな人は買ってみても損はないかと思います。

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