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ブックレビュー

またまたまとめレビューです。


神林長平「敵は海賊・短篇版」

1ヶ月ほど前に読んでいたのですが、すっかりレビューを忘れていた1冊。
というか、中の2本はすでに読んでいるため(既刊に収録済み)、印象が薄かったということも……
書き下ろしはヨウメイの駆け出し時代。ていうか、この人にもそういう時代があったのかと、妙な気分になりました。

ストーリー的には「わが名はジュティ」が一番面白かったかな。ジュティの名前はシリーズのどこかに出てきているはずなんですが……思い出せない……(汗)

それ以前に、読んでいるはずの「正義の眼」も内容が思い出せない。自分の記憶は「A級」で止まってしまっています。ここずっと、SF離れが長くて、脳みそがSFモードになってくれません。

雪風の新刊は文庫待ちです。しゃばけも同じく。

横尾忠則「名画感応術

以前に金沢21世紀美術館へ行った時、横尾忠則展をやっていたため、ミュージアムショップで売られていた本。
本当はルソーのパロ画集が欲しかったんですが、置いていなかったので、代わりにこちらを。

「名画は薀蓄を並べて頭で理解するのではなく、魂で感じるべし」というのがこの人の持論のようで。まあ、固定観念や伝統にとらわれずに制作する現代美術家なら当然かもしれませんが……ただ、美術ブログで絵画紹介をやっている自分のような人間とはまったく真逆な意見ですね。(苦笑)
この本自体はとても平易で読みやすいと思います。知らなかった作品も載っていましたし……
ただ、そういう持論ゆえに詳しい解説はありません。(元は女性誌に連載していたそうな)

芸術は薀蓄を取り払って観るべきだという意見も確かにアリだとは思うのですが、ただ、現代美術と古典美術ではそもそも作品の位置づけ自体が異なるので、同じ天秤にかけるのはどうかとも思います。
特に古い時代に描かれた伝統的な絵画は、そもそも自己表現を主目的に制作されていたわけではなく、政治の道具だったり、工房を支える職人技であったりしたわけですから……

芸術はその時代を映す鏡であり、描かれた事象や背景も含め、歴史と切り離すことはできないと思います。魂だけで感じられるのは、文化を共有する同時代の人間だけではないかと。すなわち、現代美術にのみ適用できる作法ではないかと思いました。



塩野七生「ルネサンスの女たち」

しばし戦国時代にトリップしておりましたが、また西洋に戻ってきました。
「ローマ人の物語」や「海の都の物語」では歴史の主役は男たちばかりでしたが、タイトルの通り、ここでは4人の女たちが主演を張っております。

イザベッラ・デステ
エステ家から小国へ嫁いできた彼女。美しく賢く、美を愛する貴婦人……いやー、本当にカッコイイですね。後述のカテリーナ・スフォルツァとは違って、華々しくはなくとも、実に憧れる女性像です。
政治的な目的のために芸術家を保護したと語られてはいますが、しかし本当に好きでなければできないことではないかと思います。ダ・ヴィンチに肖像画を頼んだにも関わらず、デッサンしか残っていないのが悔やまれる……
チェチリア・ガッレラーニがさぞ羨ましかったことでしょう。(「白貂を抱く婦人」のモデル)

ルクレツィア・ボルジア
近頃のチェーザレブーム(?)で、ご存知の方も多いのではないかと思います。ボルジア家の麗しき悪女。
というか、ホントにボルジア家はルネサンス史上に艶然と咲き誇る毒花だなと思います。塩野さんは「ルクレツィアは普通の女でありすぎた」と書いておりますが、確かに彼女は父のように腹黒くも、長兄のように冷酷でもありませんでした。そして同時代のイザベッラ・デステのように賢明でも、カテリーナ・スフォルツァのように苛烈でもない……しかし、彼女はだからと言って普通ではなかったと思います。ルネサンス期のイタリアの渦中に身を置くという、彼女の背負う運命そのものが。
単に邪魔で殺されただけの次兄ホフレのほうがよっぽど普通だったのではないかと……
なお、この短編だけではボルジア家のことが少ししかわからないので、「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」を先に読んでおいたほうが良いと思います。(もしくは惣領冬実の漫画「チェーザレ」でも)

カテリーナ・スフォルツァ
前出の「優雅なる冷酷」読者なら強く印象に残っているであろう女性。なまじな男よりもよほど闘志と胆力を持っていると思います。
女に生まれたのが間違いではなかったか……と思わせるのが、イザベッラとは違うところでしょう。彼女の場合、闘いには向いていたけれど、政治上の戦いには向いていなかったようなので。
有能な参謀が一人でもいれば歴史は変わっていたかもしれませんね。まあ、プライドの塊のような彼女が、人の意見をどこまで聞けるかわかりませんが(汗)

カテリーナ・コルネール
4人の中で、「最も歴史を動かさなかった女」。というか、歴史に翻弄される女の典型のようでした。
ヴェネツィアの手によって王冠を与えられ、そして奪われた女王。しかし、帰国後の軟禁生活(本人は自覚なし)のほうが彼女にとっては慎ましくも幸せを感じられたのではないでしょうか……
政治の場に最も不向きな彼女は、政治から遠く離れていたほうが良かったでしょうから。それに、バックのヴェネツィアに任せておけば舵取りに失敗することもなく、天寿を全うできたわけですし。
たとえ華々しくても、マリー・アントワネットのようになるよりは、彼女にとってはマシだったろうと思います。


さて、ヴェネツィアが出てきたところで、次は「海の都の物語」の続きに戻ろうか、それとも「ローマ人」の新刊にしようか、それともまた日本にしようか考えどころです。ルイス・フロイスの「日本史」完訳版も捨てがたい。(定価で買ってしまったし)

あと、新書で「ヴェネツィア」「オスマン帝国」「バルト三国」なんてのもあったりします。またしばらく歴史ものばかりになりそうです。
もうずっと、美術関連か歴史・時代ものしかろくに読んでいません(汗)
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コメント

>旦那様
あおぼしさん同様、実に羨ましい~
確か新潟のご出身だったと思うのですが、どんな縁で松本にお住まいになったんでしょうねぇ。
それにしても奥様、いい仕事してますね!(笑)

>あおぼしさん
ああ、そういえばそんなくだりが!
ありがとうございます~
A級は、ピンクな彼らの印象が強すぎまして(苦笑)
それにしても零って29歳なんですか!? だ、大丈夫なのか、それで!?(汗)
精神的に若い……というか幼いイメージが……;;

2009/10/03 (Sat) 23:44 | 遼 #XggCOD8. | URL | 編集

ジュティは「A級の敵」に出てきますよ。カーリーとぶつかって、ワインを飲み干した云々のくだりがあります。
正義の眼はちょっとラテルが年をとっていたような感じもしましたが、ご本人もやはり二十代というラテルを書くのがつらくなったと仰っていたからなるほどと思いました。
もっとも、雪風の零は29なんですが…。それにこの間気がついて「(青いから)もっと若造だと思ってた!」と友人とびっくりしていました(笑)。

(ところでいきなり横レスですが、福槌屋の旦那様、大変羨ましいです……!!)

2009/10/03 (Sat) 10:46 | あほぼし #oeiHdhUc | URL | 編集
昔々(笑)

神林さん、松本に住んでてね。
奥さんが前の仕事場で、私のお客様だったのですよ。
「戦闘妖精雪風って読んだことあります?」
「いえ、タイトルは知ってますけど」
「あ、じゃ、お貸しします」
って、奥さんに貸してもらって読みましたっけ(笑)。

一緒に、店に来て下さったりで何度かご本人にも会いました。

今は交流がないので、懐かしい限りです。

2009/10/03 (Sat) 00:48 | 福槌屋の旦那 #FemA5fPA | URL | 編集

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