新年ブックレビュー


木村泰司「名画の言い分」
他の図書館から取り寄せてもらって、借りてきました。
何となく買う気にはならなかったので・・・。
さて、この本で何度も繰り返されているのは「美術は見るものではなく読むもの」。
要するに、西洋美術を鑑賞するには、伝統的な西洋文化の素養がなければ正しく理解できない・・・ということなんでしょうけど。
それにしても、あまりに何度も言われると、どうも違和感ばかり受けてしまいます。この人の言い分は、どうも極論すぎるんですよね。美術は、きれいだとか上手いとかそういう見方をしてはいけないっていうんですけど・・・それはどうかと。いや、確かに最低限の知識がないと、西洋美術は意味がわからないのは事実ですけど、それにしてもしつこい。(汗)
もちろん西洋美術は宗教とともに発展したし、布教のために作られたのは当然なのですが、しかし信者たちの心を揺さぶり、強く惹きつけるためには、形式や決まりごとを入れただけの「記号」としての絵画では不適当でしょう。また画家たちもそれを仕事とするには、人とは違う表現を試みようとしていたと考えても良いのではないかと。「自己」という認識がまだなかった時代だからといって、自己表現がなかったということにはならないでしょうに。
というか、美しいと思って眺めたっていいじゃないか、ほっといてくれよ。(汗)

まあ、この手の本はすでに出尽くしている感はあるし、何か人と違った切り口にするには、こういう極論に走ってしまうのかもしれませんね。
しかし紹介されているのはほんの「さわり」で、入門書くらいの感じなのですが、かといってこんな偏った見方を入門書にするのはどうなんだろうなあと。もっとオーソドックスな、「西洋絵画の見方」みたいな本から入った方がベターだと思われます。
しかもコレ、紹介されている画家や作品もかなり偏っていますよ。(汗)
それに、ここで語られているのはごくわずかな説明なので、その程度なら展覧会でも作品の隣に貼ってあるはずなんだけどなあとも。(苦笑)



畠中恵「餡子は甘いか」
新年早々、小説新潮を立ち読みしてきました。(笑)
しゃばけ最新作の短編です。以下、ネタバレ含みます。

今回は栄吉の奉公先でのお話です。
推理ものとしては、展開がかなり序盤のうちに読めてしまうのですが(汗)、栄吉の心の揺れ具合や、頑張る姿などがメインといえるでしょう。むしろ砂糖泥棒騒ぎはどうでもよろしい。(笑)
今回は若だんなたちが脇役扱いで、ちょっと寂しいですね。次は妖たちの活躍も見たいです。とりあえず、奉公に出ても栄吉と若だんなが行き来できるようなので、ホッとしました。
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コメント

昔の人でも、好きかどうかで判断していたのじゃないかなーと思います。
単に約束事だけが大事なら、特定の画家を贔屓するパトロンも現れるはずもないですしね。

文学は、言語そのものもそうですけど、その読まれた時代や文化に依拠してしまいますね。国や時代を超えて読まれる作品は、ホントの名作なのだろうなと思います。
(と言いつつ、世界の名作をあまり読んでいない自分に気づく;;)

2008/01/06 (Sun) 11:34 | 遼 #XggCOD8. | URL | 編集

自分は絵画(に限らないけれど)は好きか好きでないかしかありませんね。
技法や巧拙はよくわからないのです。
ただ,文学と違って絵画や音楽は文化を超えて訴えかける力を持っていると思います。
文学はどうしても言語に依存してしまいますので。
そこが絵画の魅力だと思うんですけどねー。

2008/01/05 (Sat) 19:32 | 森山 #WU54VeHQ | URL | 編集

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