ブックレビュー

久々のブックレビューです。
近頃、あんまり本が読めていないのですが・・・。


「美の壺 表具」
表具とは、掛け軸の絵や書を貼る裂(きれ)のこと。
日本美術に疎い自分は、表具についてもほとんど無知で、この本で初めて知ることばかりでした。
読めば読むほど、なかなか味わい深いものなのですねー。
一番最近では、北斎館に行った時に目にしているはずなのですが、ほとんど覚えていません(汗)。それで図録を引っ張り出してきて確認しようとしたのですが、絵の部分しか写真に載ってやしねえ。ううむ、残念。
また掛け軸を観る機会があったら、今度からは表具にも目を向けたいと思います。
ちなみに前の家は、床の間に掛け軸飾ったりしてたんだよなあ・・・。あの頃はそんなところに目を向けることもなかったなあ。もったいない。



宇江佐真理「卵のふわふわ 八丁堀喰い物草子・江戸前でもなし」
これは昨晩読んだばかりです。
最近の読みかけ本といえば、ローマ人の物語とか、ちと硬めなものばかりなので、あまり頭を使わずに気楽に読めそうな本はないかなーと探していたところ、積読山の中から発見されたのでした。確か7月ごろ購入。まだまだ山の上の方ですが。
しかし、気楽に読むどころではありませんでしたよ!
いやもう、ホントに泣けました。ボロボロです。
不器用な夫婦の心のすれ違いと、義父母の温かさの対比がうまく描かれていて、大変感情移入しやすいです。時代物ではあるけれど、物語自体は今の時代にも充分当てはまりそう。
何というか、今さらながらに自分が家族ものに弱いんだなーということが改めてわかりました(苦笑)。これまで泣けた本や映画はみな家族ものだったよそういえば。
さらに欲張りなことを言うと。
・せっかく八丁堀が舞台で同心親子が出てくるなら、もうちょっと推理仕立てでも良かったかも。
・最後の「事件」は、元鞘に戻るきっかけとしては外せないのだろうけど、ちょっと強引な気も。というか、本当にそれで終わりなんですかーと。(汗)
などと連ねてはみたものの、全体的に本当に巧いです。あまり時代物という意識もなく読めますので、多くの人に薦めたい一冊。
というか、某Aさんのところのレビューで気になって手にとったのですよね、本当は。いやあ、大当たりでした。どうもありがとうございます!



畠中恵「つくもがみ貸します」
出たばかりの新刊を早速買って読んでみたのでした。かなり具合悪い時期だったのに、根性で。(汗)
しかし・・・やはり、しゃばけシリーズ読者としては物足りなさが残ってしまうのが、いかんともしがたいです。
損料屋の姉弟と、「商売道具」である付喪神たちとは、直接会話はなされません。それが「しゃばけ」とは大いに違う点ですね。あれはもう、妖ホームドラマですから。
というか、若だんなが普通とは違うということを際立たせるためには、普通の姉弟が妖と簡単に打ち解けてはマズイということなのでしょう。
ただし、それだけに「じゃあ何で付喪神が出てくる必要があるのか」という問題が出てきてしまいます。
実を言うと、このタイトルと作者に惑わされずによーく物語の筋だけを抽出すれば、妖がなくても成り立ってしまうんですよね、この話。清次、お紅、佐太郎の三人の関係だけを追っていくなら。
いかにもK川書店が「ウチからも妖モノを書いてください」と頼んだらしく、妖の必然性と人間たちの物語とがうまく噛み合っていないような印象を受けました。
こんなことなら、最初から妖を排除した「まんまこと」のほうがよほど成功していると思います。
清次とお紅の間に立ちふさがる佐太郎もいまいち魅力不足で、いろいろと中途半端に感じてしまいました。続編を書くならやはり「まんまこと」の方が良いでしょうね。
というか、「しゃばけ」が別格ゆえに、あれと同程度のレベルのものを求めてしまうのがいけないのかもしれませんが・・・。
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コメント

>ちゅん吉さん
私は宇江佐さんの作品、初めてだったのです~。
また読みたいなーと思いましたよ。本当に上手いお方ですよね。
こちらの作品も大変オススメです!

>某Aさん(笑)
どうもありがとうございましたー。すっかりはまり込んでしまいましたよ。一気読みでした。
初めて手にする作家の場合、事前情報がないとちょっと不安だったりするのですよね。なので人様のレビューは大変参考になっております。
ええもう、ダイレクトに刺激されました。(苦笑)

2007/10/21 (Sun) 15:24 | 遼 #XggCOD8. | URL | 編集

もしかしたらちょっと合わないかな?と思っていたので、「卵のふわふわ」、楽しんでもらってよかったですー。
味覚と涙腺を原始的に、ダイレクトに刺激する話ですよね(笑)。

2007/10/21 (Sun) 12:19 | 某A #oeiHdhUc | URL | 編集

お、宇江佐真理さんではないですか!
私、この方の作品、時間つぶしに入った本屋でふらりと購入、面白さにその続編も次々買ったという自分的に注目作家なのです。

とても構成、文章が巧みで人情の機微がしっかり描かれてて、プロっぽう(藤沢周平みたいな)感じです。

私もこれ、探してみます!

2007/10/21 (Sun) 09:42 | ちゅん吉 #qx6UTKxA | URL | 編集

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