ブックレビュー

少し読書の方がペースダウンしておりました。
ちょっと裏でいろいろとこまごまやっていたもので。

その合間に読んでいたものたち。
狙っていたわけではないのですが、なぜか全員ファンタジーノベル大賞出身者でした。なぜだ。


酒見賢一「周公旦」
何ゆえ今ごろ・・・と自分でも思うのですが、図書館行った時にたまたま通りかかった棚で見つけたので。実は発売当初に読みたいな~と思っていたのに、もう8年も経っていました。
物語は殷周革命からその後の時代が舞台。武王の弟にして「礼」の創始者、孔子様が生涯敬愛し続けた人です。堅苦しく、信念を突き通すタイプゆえに武王没後は不遇な時代を迎えます。甥っ子の王から殺されかけて亡命するくだりはなかなか面白かったのですが、物語全体としては、かなーり地味です。主人公の性格にぴったりな感じ。
それにしても、恐ろしいのはビジュアルイメージが某漫画のまま脳内に浮かぶこと・・・。全部立ち読み(根性で)だったはずなのになあ。
それはともかく、時代背景はある程度知っておかないとわかりにくい気はします。(一時の封神ブームで結構浸透している気はしますが)そして酒見氏にしてはかなり淡白でした。(笑)



山之口洋「天平冥所図会」
時代設定が珍しく、あらすじもなかなか面白そうだったので、図書館で予約して借りました。発売から間もないんですね。
時代は天平、聖武天皇の御世。光明皇后が始めた悲田院、施薬院の運営を任された女官・和気広虫と葛木一族の末裔・戸主の夫婦が主役です。
・・・って、やっぱりかなりマイナーだと思うのですよ、いろいろと。(汗)
和気広虫も名前だけは覚えていたけど、どういう人だったかすっかり抜け落ちていたし(しかも高校の日本史資料集には載ってない)。ただ、和気清麻呂(弟)はまだ覚えていましたけどね。
そういえばちょっと前に「その時、歴史が~」で道鏡事件をやっていたので、その辺りはちゃんと思い出せましたが。(苦笑)

平安より前になると、天智~持統天皇の頃はよく覚えているのですけどね・・・(←しかし大方は「天上の虹」に拠っている)、天平時代はかなり怪しいです。高校時代の日本史では仲麻呂だの奈良麻呂だのと混乱していたことは覚えていましたが、どういう経緯だったのかが今回初めてよくわかりました。
マイナー時代やマイナー人物を知りたいという方には結構オススメできます。が、やはり読み手を選ぶ物語ではあろうと思います。(汗)
時代物全般に興味があって、普段から読み慣れていないとややキツイかも。ルビも極端に少ないし、文章もちと読みにくい。

ちなみに山之口氏の作品は、今回初めてだったりします。ファンタジーノベル大賞の「オルガニスト」は、実はオーディオドラマで聴いたのでした。(塩沢氏の存命中最後に聴いた作品)



畠中恵「百万の手」
以下はかなりネタバレになるので、ご注意ください。


・・・どうしよう。

途中まで読み進めての感想が、まずこれです。
これ、本当に「しゃばけ」の作者と同一人物なのでしょうか!? 激しく疑問でした。

主人公は腺病質の美少年で、心を許せるのは親友一人しかいない。って、この設定はいきなり若だんなの焼き直しではないですか。(汗)
これを出した時は現代もの初挑戦ということだったのに、同じような設定を持ち出してきたら新しい試みにならないでしょうに・・・;;

まあ、このくらいなら何とかなったんです。しかし。
「親友が火事で死んだが、残された携帯電話で会話ができる」という設定。い、いきなり乙一ですかー!?
しかも、この設定がまるで生かされていない。事件捜査の相棒は途中でケータイ探偵からホスト義父にバトンタッチ。だったらわざわざ不思議要素を入れる必要はないのでは? 消化不良で終わってしまっています。
ケータイ探偵というのは要するに、自分では動けない代わりに主人公を使うための設定なのでしょう。だったら、火事で重傷を負って病院に担ぎ込まれ、安楽椅子探偵になった方が良かったと思います。そして途中で病院関係者に消されて、その敵討ちをするという方が自然な流れだと思います。
それをしなかったのは、そうするとオリジナル要素がなくなってしまうから・・・なのでしょうねえ。ありきたりな話になってしまうし、ミステリにしてはそもそも謎解きが単純すぎる。

そしてきわめつけ・・・クローンですかッ!?(吐血)
何か・・・何か他にありませんでしたかね・・・!?
SFするには目新しさがなさすぎですよ・・・(泣)
物語の主題に据えるには書き込みも足りないし、クローンという言葉自体に手垢がつきすぎていて逆に引いてしまうんですが。
あまり本を読まない子供向けに作られたんでしょうか? それにしてはちょっと危険な気もしますが。(冒頭はいかにも近親・・・っぽいしさ)

しゃばけでは、あれだけ魅力的なキャラ作りができているのに、こちらではそういう人物がほとんどいないのも痛いです。(ホスト義父くらいかと)
本当に同一人物ですか?(くどい)

読み終えた後は徒労感が襲ってきました。予約している「アコギ~」が心配になってきましたが、失敗はこれだけであってほしいと切に願います。でもホント、最初に読んだのがこれでなくて良かったよ・・・!


次はようやく返却されたという「アコギなのかリッパなのか」なので(これから借りにいきます)、まだファンタジーノベル大賞出身者の作品が続きそうです。

コメント

四季さん、こんにちは!
TBもありがとうございます♪

そう、実は山之口さんの作品、これが初めてだったのです。オルガニストも、オーディオドラマで聴いてしまったので、結局原作も読まないまま・・・(汗)
こちらは割とコミカルな感じで、なかなか面白かったです。

広虫は、名前がインパクト強くて頭に残っていたのです。(笑)
とはいえ、奈良時代がまだよくわかっていないので、「風の陣」でおさらいしておこうと思います!

2008/01/15 (Tue) 21:26 | 遼 #XggCOD8. | URL | 編集

遼さん、こんにちは。
なんと山之口洋さんの作品は初めてでしたか!
あ、でも「オルガニスト」は知ってらっしゃるんですね。
あちらとは随分雰囲気が違ってびっくりですけど
楽しい作品でしたよね~。
確かにかなりマイナーではありますが…
でも和気広虫の名前を覚えてらしたなんてすごーい。
私も清麻呂は覚えてましたけど
広虫なんてそもそも聞いたことあるのかどうかも謎です。(^^ゞ

TBさせていただきました♪

2008/01/15 (Tue) 07:59 | 四季 #Mo0CQuQg | URL | 編集

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