剣闘士スパルタクス


佐藤賢一「剣闘士スパルタクス」

少し前のことですが、読み終えました。
ええと、何というか、読後感が「カエサルを撃て」に近いものがありました。
内容はまさにタイトルどおり。共和制ローマ時代、大規模な反乱を起こしたスパルタクスの物語です。
が。

そもそも佐藤氏はフランス史の人なんですよね。そしてフランスといえばガリア。つまりは蛮族扱いされた非ローマ民族なわけです。そのせいもあって、どうにも作者自身に反ローマ精神が根底にあるような気がしてなりません。いくらローマに対する反乱の物語とはいえ。
多分ね、佐藤氏はローマ嫌いなんじゃないでしょうか。
ついでに言うと、女性も嫌いなんじゃないですかね。
「双頭の鷲」は、女が怖かった。「カエサルを撃て」やこの「剣闘士スパルタクス」では、女などどうでもよさげだった。
逆に「王妃の離婚」では、男の空想上の生き物のようでしたがね。(要するに理想の詰め込み)
戦う男・・・というか「漢」が描きたいのかもしれませんが、もうちょっと魅力的な女性を出してもらえませんかね? どうにもステレオタイプなんですよ。(汗)

そしてこの物語、スパルタクスに焦点を当てるのは良いとしても、視点がずっと固定されすぎていて、全体像が大変つかみにくかったです。個人的な好みとしては、反乱に右往左往する元老院とか、その間に着々と力をつけているクラッススとポンペイウスとか、その辺も書いてほしかったんですけどねー。「二頭」のこの二人も、名前しか出てこないなんて・・・! フラストレーションたまりますよ!!

剣闘のシーンはとても迫力があって面白いのですが、全体的にはどうにも単調。行き当たりばったりな反乱らしいといえばらしいのですけどね。もうちょっと戦略だの謀略だのがあれば・・・!(それはただの趣味)

佐藤氏はまたローマ時代ものを書いているそうですが、次は手を出すかどうか考えどころですね。ローマ好きにはちょっといろいろ足りなく感じる部分が多い気がします。
おとなしくフランスものにしておこうかな・・・次はカルチェ・ラタンあたりに行くか。
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