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北斎館レビュー

それでは北斎館のレビューを上げてみようと思います。
もともと自分は日本の芸術家に関してかなり無知でして……特に近代より前については、日本史の教科書に出てくるような超メジャーな作品くらいしか本当に知らなかったのです。(近代以降も決して詳しいわけではない。が、やはり洋画のほうが好きなので日本画家よりは洋画家のほうがまだわかるというだけ)
もちろん葛飾北斎を知らないはずもありませんが、実物をわざわざ見に行くことはこれまでありませんでした。今回はたまたま用があって小布施にまで足を伸ばしたので、せっかくならば北斎を観てこようということになったわけです。

さて北斎といえばむしろ海外で絶大な評価を受けた、日本を代表する絵師です。まさに浮世絵 イズ ファンタスティックなわけですが、自分はこれまで浮世絵(錦絵)に対し、さほどワンダホーと思ったことがありませんでした。確かに面白いし美しいとは思うんですが、やはり大量生産型の木版画である以上、どこか深みが足りなく感じられてしまうのです。大量生産大量消費な大衆文化という点で、アメリカンなポップアートにも同じようなものを感じます。(学生時代に共同でウォーホルのパスティーシュみたいなことをしましたが、面白いけど深みにはまるという感じではありませんでした)

……何だか話がどんどんずれてきました。軌道修正しましょう。

さて北斎館ですが、こちらは肉筆画を多く所蔵しておりました。北斎の肉筆画を一度にこれだけ観るのは初めてのことです。
印刷ではそれなりに眺めていても、実物は本当に違いますね。そのことを非常に実感しました。

油彩画のような表現手法とは明らかに違うため、奥行きや厚みによる迫力を与えるわけではありません。が、静謐な情景を精緻な筆で切り取ったさまに、ただ言葉もなく食い入るように見つめるばかりでした。
昔の作品ではありますが、発色も実に美しく、つい先ほど描き上がったと言われてもうっかり信じてしまいそうです。

以下、気に入った作品を並べてみます。



「柳下傘持美人」
印刷や画像では、美しさの十分の一も伝わりません……! 傘や着物の濃淡が、見事なグラデーションを生み出していました。思わず葉書とボールペンを買ってしまいましたよ。



「白拍子」
静御前の「しづやしづ」の場面だそうで。命懸けで舞う静御前の凛とした表情が印象的です。



「お福」
美人画から一転、今度は愛らしい姿。愛嬌のあるこの少女、実は天鈿女命だそうで。(この後、ストリップショーが始まるとはとても思えませんが……)



「東海道旅行」「潮干狩」
まぶしいくらい鮮やかな青が、真っ先に目に飛び込んでくる作品。楽しげな表情、指先の動作まで見事に写し取った筆力はまさに職人芸。何となくピーテル・ブリューゲルを思い出すのは自分だけでしょうか。


そして最後、県宝である「東町祭屋台」および「上町祭屋台」が大トリを取るような展示方法でした。三次元作品は著作権の関係で写真を載せられませんが、一度見て損はないはずです。天井板に男波・女波、龍・鳳凰がそれぞれ描かれていて大迫力。

以上、小布施の北斎館レビューでした。茶屋の建ち並ぶ情景など、風情のある街なので、観光にもぴったりだと思います。

・・・そしてうっかり散財。肉筆画図録、ボールペン(美人)、絵葉書(美人、二美人図、白拍子)。さらに昨日、アーティストジャパンの北斎の号に手を出してしまいました、よ。(汗)


※なお、同内容の記事を美術ブログにもアップしております。

コメント

おお、おとさんありがとう。
一応、私が載せたのは、CRIC(著作権情報センター)の見解なのですよ。ただし、これは商用ではなく趣味の範囲で個人のHPに画像を載せる場合の話。
商用もOKになってしまったら、流通している画集をスキャンして勝手に本でもグッズでも売れることになってしまいますもんね。(汗)

研究論文のほうは知らなかった・・・けど、出典明らかにすればOKなんですね。勉強になりやした。どうもありがとー。

2007/05/19 (Sat) 09:04 | 遼 #XggCOD8. | URL | 編集

ヨコヤリです。
平面写真を正確に写し取っただけの絵画でも、(そして50年経っていても)著作権を主張される場合は確かにあります。所蔵が他人でも、遺族が版権みたいなものを一括管理してたりとか。
でも、遼さんの場合はそれで出版するとか言う話じゃないから、おそらく問題はないはず・・・。(勉強不足なので断言できず)
研究論文に画像を掲載するのは、出典を明らかにすれば著作権云々言われないのと同じ感じだと思います。
以上、ヨコヤリでした。お呼びでない?こりゃまた失敬。

2007/05/17 (Thu) 22:42 | おと #- | URL | 編集

その時にはここは跡形もなく移転します。(にっこり)

2007/05/17 (Thu) 18:10 | 遼 #XggCOD8. | URL | 編集

へぇへぇへぇ・・・・
97ヘェぐらい関心です。
死後50年ルールはなんとなく
知ってましたが写真は適用除外
ルールは初めて知りますた。
勉強になります。
安心して中国でコピー製品を
売り出したいと思います。

2007/05/16 (Wed) 23:16 | 妖怪TVレポーターおかしら #- | URL | 編集

非公開コメントさんへのレス。
もう一つのブログ(普段、美術ブログと称しています)をご覧になっているでしょうか?
あちらでは、このブログの比ではないほど絵画の画像を多用していますが、いずれも著作権上の問題がないような使用方法です。

まず第一。作者の死後50年以上が経過していること。(ただし国によって違うので注意が必要。また日本は敗戦国なのでペナルティが課され、海外作品は必ずしも50年とは限らない)これは大前提です。

さて問題の、絵画を勝手に掲載しても良いのかどうかという件ですが。これが大丈夫なのですよ。
平面作品をそのまま正確に写しただけの写真は、「創造性がない」という判断から、著作権は発生しません。この絵(写真)も画集から取り込んだものです。出版社がその絵の著作権を持っているように見えますが、著作権のない絵画の場合は出版元にも何の権利も発生しません。
まあ、ただそれを使って商売をしたりすれば問題が起こりそうなので、さすがにやりませんけどね。(その絵の所蔵美術館の「所有権」を侵害すると思われる)

なお美術ブログには、よそのホームページ(主に海外)から拾ってきているものも多く載せています。この場合は画像元のリンクも貼っています。本来はそれらも著作権がないはずなのですが、「勝手に配布してはいけない」などというサイトもあり、一応その注意書きに従っています。(面倒が起きても困るので)
なので、自由に使っていいですよ(個人使用の場合、商用でなければOKなど)と明記されているものだけ使うようにしています。

また、著作権が切れていなかったり、立体作品(彫刻や工芸品など)の場合は、画像を載せずにリンクだけ貼るようにしています。平面でないので、撮影者の著作権が発生してしまうためです。

以上のように、細心の注意を払って運営しております。どうぞご心配なきよう。

2007/05/16 (Wed) 23:01 | 遼 #XggCOD8. | URL | 編集

>ちゅん吉さん
北斎館、オススメですよ~。ちょっと遠いですが、もしこちらにいらっしゃる機会がありましたら是非お越しくださいね。
海外流出モノの展示・・・気になりますね~。日本の作品なのにそんな時にしか観られませんものね。(まあ逆に言えば、海外の人も日本に所蔵されてる西洋美術作品を観に来たりしているんでしょうけれど・・・)
肉筆サイン、ときめきっぱなしでした。(笑)

>おとさん
北斎、いい歳しても本当に元気だなあと改めて思った小布施行でした。(笑)
岩松院もさっそく気になりましたよ。天井画ってことは大きさも結構なものなんでしょうに、歳とってもますます冴える老人。スゴイ。
オススメありがとうございます~。

2007/05/16 (Wed) 22:59 | 遼 #XggCOD8. | URL | 編集

小布施だったら、岩松院も是非訪れてみてください。

北斎の80だか90のときの天井画が残っているんだけど、迫力がすごいです。

周りの雰囲気も、中心部とはちょっと外れてひなびた感じがお寺とよく似合っているので、また機会があれば、是非。
そして中心街にある「栗の木テラス」のモンブランがおいしいです。紅茶も色々種類があって、好きなのを選べるので、こちらも是非。

2007/05/16 (Wed) 10:35 | おと #- | URL | 編集
管理人のみ閲覧できます

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2007/05/16 (Wed) 00:06 | # | | 編集

北斎館、私も行ってみたいところのひとつなのです。

こちらでも、江戸の誘惑展といって海外流出ものの展覧会があり、北斎の作品も結構出品されてました。

北斎はいいです。

あの画狂老人卍って晩年の銘がまたいいです。

あの肉筆サインを見ただけでときめきました。
杉浦日向子の百日紅、北斎と娘のお栄の日常が大好き。
英泉主人公の「みだら英泉」もあわせて読むと面白さひとしおっす♡

2007/05/15 (Tue) 20:23 | ちゅん吉 #qx6UTKxA | URL | 編集

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