スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夜のピクニック

(下の記事から続きます)
夜のピクニック
次は「夜のピクニック」。
もう、これはずっと読みたい読みたいと言いつつ、長いこと手を伸ばせずにいた1冊だったのです。何しろ単行本はかさばって置き場がないので、なるべく買わないようにしているため、図書館に行く(そして読んで返す)暇がないと読めないんですよね。いや、今も時間はないはずなのですが、ついに決壊水域を越えたというか何というか。
とにかく読みました。そして。

恩田さん! さすが恩田さんです!! と快哉を叫びたい気分でいっぱいです。
朝の8時から翌朝の8時まで、ただひたすら歩き続けるという、北高の名物「歩行祭」。この物語は、その歩行祭の様子が延々と描かれてゆきます。
普通なら、ただ歩くだけの物語では起伏もなく、読者を引きつけ続けることなど不可能でしょう。しかし恩田さんは相変わらず言葉の魔術師です。あの柔らかな筆致に触れているだけで、まったく飽きません。結局、一気に読破してしまいました。

もう二度と戻れないあの時代を髣髴とさせ、懐かしさに胸がいっぱいになります。
当時は「今」なんてさして大事だとも思えなかったのだけど、後になってから懐かしがるなんて皮肉ですね。
未来のためにばかり「今」を生き急ぐ融も、苦い痛みを溜め続けてきた貴子も、卒業間近に大切な「今」を手に入れられて本当に良かったと思いました。

また、回想シーン以外には一切出てこない杏奈の存在も、なかなか興味深かったです。舞台に姿を現さずに人物像を描き出すというのも、恩田さんの得意技ですよね。
読後感は実に爽やか。久々にじーんと来てしまいました。
そして「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」W受賞おめでとうございます!


というわけで、今回の2冊は本当に読んだ甲斐がありました。
近頃、お金を出して買った本に、別の意味で切なさばかり覚えていたので、何とかすっきりできました。
  • Category:

コメント

「蛇行する川のほとり」は刊行中にリアルタイムで読んでいて、第1巻では物凄くどきどきしながら引き込まれてしまいました。期待度が高すぎたためか、最終巻でやや拍子抜けな気はしてしまいましたが、恩田さんの美しい文章が詰められた作品だと思います。

次に借りてこようと思っているのは「ねじの回転」「ネクロポリス」あたりなのですが、いつも貸し出し中で滅多にお目にかかれません・・・。(苦笑)

2006/05/24 (Wed) 22:21 | 遼 #XggCOD8. | URL | 編集

「黒と茶の幻想」「麦の海に沈む果実」で、おお、私と趣味一緒かも!!
・・・と思ったけれど、「月の裏側」が全然ダメでした、私(苦笑)。

5冊好きなのを挙げるとすれば、「3月は深き紅の淵に」「蛇行する川のほとり」「ネバーランド」と上記の2作かな。
今「エンドゲーム」を図書館で借りてます。

2006/05/24 (Wed) 21:57 | びー玉 #K4hmh3UY | URL | 編集

「夜のピクニック」は結構ストレートですっきり読めるタイプの物語だと思いました。
恩田さんの作品では「黒と茶の幻想」とか「麦の海に沈む果実」とか「月の裏側」あたりが好きですね。・・・どれも読後感がすっきりとは言い切れなかったりするのですが。
あとは異色作で「ドミノ」あたりでしょうか。

最近は恩田さんの作品をほとんど読めていないので、また図書館で借りてこようかなと思っているところです。

2006/05/24 (Wed) 21:24 | 遼 #XggCOD8. | URL | 編集

うう、今度はリンクはらなくてもトラバできました~。
お騒がせしました、すみません!

「夜のピクニック」、飽きることなく引き込まれていきますね。
若干気に入らないキャラはいたものの、恩田作品にしてはすっきりと終わったし(笑)。
読後感がよかったです。

2006/05/23 (Tue) 22:07 | びー玉 #K4hmh3UY | URL | 編集

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

ワタシ的評価:★★★★☆朝の8時から始まり、翌朝8時まで続く歩行祭。わずかな仮眠をはさんで、ただひたすら80キロ歩く行事。その長い長い時間を、会話や思考によって、自分とも友人とも向き合っていくような行事。思考が一本の川のようにつながっていく、長い夜の時間

2006/05/23 (Tue) 22:04 | その傍で本を読むのは
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。