琥珀枕

図書館の返却期限が迫ってきたので、先日借りた2冊を慌てて読み終えた次第です。
今回の読了本は、森福都「琥珀枕」(光文社)と恩田陸「夜のピクニック」(新潮社)。
先に結論を言いますと、「多忙な時間を割いてでも読んで良かった!」の一言に尽きます。


まずは「琥珀枕」。
中国を舞台にした連作式ミステリー。これは森福さんのいつもの形式ですが、今回は妖異譚がかなり多かったです。何しろ(一応)主人公の昭之が師事しているのは、何百年も生きているすっぽんの妖怪なのですから。

しかし初めの数本はやや平坦で、いま一つな感じがしました。昭之の出番も見せ場も特になく、彼自身もおとなしい子なので、短編ではどうにも魅力が感じられなかったのです。
が、筆が乗ってきたなと感じられるようになったのは「妬忌津」あたりから。美女を水中に引きずり込む妖怪の腕、というのはありがちな妖異譚ですが、それをうまく料理できていると思いました。

全7本の短編の中でも「双犀犬」は特に秀逸。あまりぱっとしない感じの昭之にしては、両親はどちらもかなり個性が強いですね。
そして最終話の「明鏡井」はミステリ色よりも、最後の最後にストンと落ちるところで、「やられた!」と思いました。妙に色のない昭之も、ちゃんと成長しているんだと感じさせられる一編。
なお、すっぽんと蛟の二妖怪大決戦には、妙に笑いがこみ上げてきてしまいました。
いや、これは個人的な理由によるものなのですが。(汗)

総評としては、前作の「十八面の骰子」に軍配が上がるものの、これはこれで楽しめました。でも次はもっとミステリ色の強いものが読みたいなとも思いつつ。


「夜のピクニック」レビューは次の記事に続きます。
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コメント

トラックバックの件は解決したようで何よりです! あんまり煩雑になるとなかなか貼るのも億劫になってしまいますしね。(汗)

森福都さんでは、「双子幻綺行」がとても面白かったです。連作の良さが十全に表れている作品だと思います。こちらは則天武后の時代です。
短編集だと最初の著書である「長安牡丹花異聞」が好きですね。この中に入っている「殿」という作品が別のアンソロジーに入っておりまして、それがきっかけで森福さんの作品を読むようになったので。

とはいえ、やはり連作式が一番合っているのではないかなと思います。

2006/05/24 (Wed) 21:21 | 遼 #XggCOD8. | URL | 編集

トラックバック、こちらこそありがとうございました。

リンクの件ですが・・・
「本文中にリンクのないサイトからのトラックバックは受け付けない設定です」というサイトさんのトラックバック先に行ってみても、リンクないんですよ(汗
どういうことなんでしょうね。
fc2もそういう機能はついているそうですので、基本設定ではじくのかもしれません。
気軽にトラックバックできない時代になってしまいました(苦笑

森福都、次は何を読もうか悩み中です。
おすすめありますか?

2006/05/23 (Tue) 22:03 | びー玉 #K4hmh3UY | URL | 編集

トラックバックありがとうございました。こちらからも「夜のピクニック」と併せて貼らせていただきました。

ブログのサーバが違うので、どのようなやり方なのかわかりませんが・・・FC2やヤプログではトラックバック先のURL↓を記事の投稿の際、「トラックバック先」にコピペするだけでできます。
やはりサーバによって違うのでしょうか?(汗)
(言及リンクというのは使ったことがないのですが・・・;;)

琥珀枕は両親の話がとても面白かったので、後のほうに持ってくるのはちょっともったいなかったと思いますね。そして続編が出そうにもありませんし・・・。
主人公のキャラクター性がやや弱かったのも一因かとは思いますが。(苦笑)

2006/05/23 (Tue) 17:56 | 遼 #XggCOD8. | URL | 編集

トラックバックするのに、大変苦労しました(汗
言及リンクっていうのが必要なんですねー。
皆さんしてるんでしょうか。
書評レビュー読んでいて、あまり見かけたことないんですけど・・・。

ところで「琥珀枕」、もうちょっと連作、続けてほしかったような気もします。
面白くなってきて、終わってしまった・・・まだ読みたかった感じです。

2006/05/22 (Mon) 23:57 | びー玉 #K4hmh3UY | URL | 編集

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ワタシ的評価:★★★☆☆ややネタバレ気味です。昔の中国が舞台の連作短編。主人公はとある県の役人の息子、趙昭之(ちょうしょうし)12歳。・・・と、その熟師の徐庚(じょこう)先生。なんとこの徐庚先生、実はすっぽんの妖怪(笑お歳は200歳とも300歳とも言われ

2006/05/22 (Mon) 23:53 | その傍で本を読むのは