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ロードス島攻防記


ダ・ヴィンチ・コードよりも先に読み終えていたのですが、レビューが後回しになってしまいました。(汗)
すでに次の「レパントの海戦」も半分近くまで来ているので、まとめて上げたほうが良いかもしれないと思ったのですが、その頃には中身を忘れている可能性が高いので、ひとまず上げることにします。

ロードス島というと、某架空世界のFT戦記のほうが知名度が高いような気もするのですが、こちらはちゃんと実在世界の話です。
「コンスタンティノープルの陥落」に続く、オスマン帝国対カトリック圏世界の物語、第二幕。
前作で滅亡したビザンツ帝国の次にトルコの標的となったのが、十字軍から続く聖騎士団の本拠地であり最前線のロードス島だったのです。イスラムとカトリック、二つの文明が地中海の小さな島で華々しく衝突しました。

しかし塩野さんの筆致は落ち着き払っていて、戦記ものらしい感じではありません。
書き方としては、「ローマ人の物語」とやはり共通していますね。大砲に対する城壁の造り方の変化とか、地雷の仕掛け方と潰し方とか、地味な篭城戦の描写が続くのですが、その手の話が好きな人にはかなりツボだと思います。

また、人物描写にさして主眼を置いていないとはいえ、決して疎かにしているわけではありません。大帝スレイマンの、騎士道精神そのものとも言える寛容さは、目を見張るほど鮮やかです。恐らくスレイマンが好きなのだろうなあと思いますけどね。好きな人物に対する描写力は本当に素晴らしいですから、塩野氏は。

また、聖ヨハネ騎士団が落ち延びていったマルタ島が、現在のマルタ共和国に至るまでの短い記述の中にも、騎士団が存在した意味を見つけ出すことができて、本当に目から鱗でした。そして「戦士」は消えても、今も存在し続ける「騎士団」。簡素な結末は、現代に生きる我々に歴史の意味を投げかけているようにも思えます。
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