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ジーキル博士とハイド氏

ジーキル博士とハイド氏

何ゆえこの本を手に取ったかと言いますと、去年の新潮文庫のキャンペーンで選んだ2冊のうちの1冊だからです。
理由・・・安いから。(汗)
いや、何しろ有名すぎる作品でありますし、一度ちゃんと読んでおきたいとは思っていたのですよ。二重人格の代名詞のように使われているけど、原作を知らないままではいかんだろうと思って。(もちろん、あらすじは知ってますが)

中身は予想以上にかなりあっさりしており、博士が異常な衝動に駆られた理由がもうちょっと深く掘り下げられていればなあと思いました。でも最後のプツンと切れるような唐突な終わり方は結構好みであります。いろいろと後で語られないほうが良いでしょう。

それにしても19世紀当時、この作品が与えた衝撃は相当のものではなかったかと思います。そしてジーキル博士の病的な異常性の描写も、作者自身が極めて不健康な身体の持ち主であったからこそなのかもしれません。冬に一歩でも外に出れば肺炎になるなんて・・・どんな体ですか本当に。(汗)
それでも人妻と恋に落ち、離婚成立寸前の彼女の元へ、イギリスから船で大西洋を渡り、汽車でアメリカ大陸を横断してカリフォルニアまで、文字通り命懸けで旅をするなんて、凄いですよ。こちらのほうがよほど文学的ではありませんか。

スティーブンスンの晩年を描いた、中島敦の「光と風と夢」が唐突に読みたくなりました。自分の持っている短編集には、残念ながらこの小説は入っていないのです。というか、そもそも収録している本が少ないようです。図書館で全集でも借りてこようかな。しかし積読本が多すぎて、図書館の本まで手が回らない状況ではあるのですが・・・。(汗)

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